優しさは傷にしみる

今の私は。
ただ、優しくして欲しいだけの女。
優しくしてくれるなら、誰でもいい女。

こわいな、自分が。

夜、男友達がやってくる。
一緒に日本戦のビデオを観ることになった。
私は研究会に行かないので。
ご飯係になった（これってかなりの冒険）。

浮かれてる自分。
不得意ながらもあれこれ考えて。
ちゃっかり買出しをしてきた自分。

こわいな、自分が。

でも、私はやっぱり男友達を好きではないと思う。
恋愛感情か、という意味で。
防衛でもなんでもなく。
そう直感する。
男友達に会った瞬間。
私は確かに嬉しい。
でも心が動いてない。
これは違う。

でも浮かれてる。
でも楽しみに待ってる。
誰かに相手して欲しいだけなのかな？
今一番お手ごろな人が男友達なのか？
それって、さいてーかな。
やっぱ、さいてーかな。

何が愛情なのかわからなくなって。
今度は。
何が友情なのかもわからなくなってきたよ。
考えれば考えるだけ、わからなくなるもの？


image　Key

透明な壁の向こうには。

暖かい世界が見える。

隔てるのは扉一枚。

みんなはカギを持っている。

笑顔で向こうへ行ってしまう。

そして透明な壁の向こうから。

笑顔で私を呼ぶの。

私もそっちへ行きたいな。

でも、カギが見当たらない。

確かあったはず。

あの箱に入れたはず。

なのに、知らない間になくなってたの。

どこに行ったの？

こっちはとても寒いのよ。

早く出たいのよ。

思い切って、透明な壁を突き破ってやろうかな？

でも、そんなことしたら。

結局どちらの部屋も寒くなってしまうでしょ？

どんなカギだったっけ？

シンプルで、何の特徴もなかったな。

なんてことないカギだったな。

でもそれじゃないと、この扉は開かない。

どこに行ったんだろう？

私、どこに置いて来たんだろう？