それでも風に吹かれ一歩踏み出す。

なんかやだな。
なんか。
なんか。

ねえ？
私は、あなたを思い出にしていいのかな？
そんなこと俺に聞かれてもわからへん。
あなたはきっとそう言うね。
そうだよ、それであってるよ。
でも、聞きたくなってしまうんよ。
心の中で、ついつい聞いてしまうんよ。
だって、私にはわからないことやから。
きっとあなたにもわからないことやね。
わかってるよ。
自分で決めろってことでしょ？

ねえ？
努力すれば報われるって。
誰かが言うよね。
そんなの、嘘。
誰が言ったの？
世の中には、上手くいかないことのほうが多いよ。
不可能が充満してて。
可能なんて、ほんの一部なんよ。
みんな怖いんだよ。
だから必死で自分に言い聞かせてるんよ。
努力すれば報われると。
涙の数だけ幸せになれると。
願うことをやめなければ望みは叶うと。

私は、幸せを見つけるのが怖い。
だから今すべてを否定したい。
そうすることで、私は精一杯がんばったんだと。
証明したいんよ。
だって、幸せになれるんやったら。
あの時もっとがんばれたんじゃないかって。
あの時何かを間違ったんじゃないかって。
そう思うだろうから。
誰かと幸せになれるなら。
どうしてあなたとはなれなかったの？
それなら。
誰とも幸せにならないことで、あなたを選べるんじゃない？

同じところをグルグル回るなら。
結局繰り返しになるなら。
もう一歩も歩きたくない。