やっと普通マーク

2001年12月10日
昨日の夜。
キュウの家に行った。

私の中では、ずっと考えていた行動だった。
勇気がやっと出たのが、昨日だっただけ。
周りから見て、突然の行動だったかもしれない。
でも、私の中では、「やっと」の行動だった。

話がしたいから、会って欲しい、と。
キュウはいつでもいいと言った。
今からでもいいと。
だから、行った。
風邪をひいていたらしいので、みかんを持って。

やっぱり少し道に迷って。
2階の端っこだったか、自信がなかった。
そんなことで。
確実に、時間は過ぎたのだ、と感じた。

キュウはごはんを食べて。
私はみかんを食べて。
キュウは私のためにチャイを作ってくれて。
私はそれを飲んで。
くだらない映画を見て。
スポーツ番組を見て。
お互いに、世間話をした。

あっという間に二時間が過ぎて。
日にちが変わる頃。
私は、自分の想いを切り出した。

ずっと、あやまりたかったということ。

キュウはちょっと困った顔をしていた。
そして「あれはあれで良かったんちゃう?」
と言った。

その後。
私は言葉が出てこなくて。
二人で笑いながら、「わかった」とか「わからん」とかを繰り返した。
「私の気持ちを表す言葉が見つからへん」と言うと。
「長くていいで。」とキュウは言った。
そして。
私はだらだらと話した。
あなたにこだわってしまっていること。
ずっと考えてきたんだということ。
あなたの気持ちを聞きたいけれど、こわいということ。

キュウは。
本当に不思議な人で。
本当に何も考えていないのか。
本当は考えているのか。
わからない人。
だから。
私が話しても。
キュウは、よく「ようわからんけど」と言った。
「そんなん考えへんし」
「そういうもんやって、思われへんの?」
とも言った。
それでも。
私を必要以上に傷つけない。
本当に考えなしで、言っているのではなくて。
本当はすごく繊細なのではないかと、思う。
本当に、不思議な人。

結局、何も結論は出ないまま、その話は終わった。
よくわからなくて、何回も二人で笑った。
「まあ、わかったわ」「何が?」「わからん」
「わからんやんな?」「わからんなあ」
こんな会話で。

変わっていたところ。
変わっていないところ。
少しずつ、見えた。
私が知っていたころよりも、しっかりしていて。
でも。
あの笑顔。
困ったときに髪を触る癖。
時おり私を驚かす極端な発想。
そっけないけど、優しくて。
優しいけど、そっけないところ。
変わってない。

失うものがあっても。
得るものは、必ずある。
そう言い聞かせて、家に向かった。
そして、それは間違いではなかったと思う。
まだ、よくわからない。
でも、私はがんばった。

私が時間を何回か気にして。
そのたびに、キュウは「ええよ別に」と言った。
私が「そろそろ帰らなあかんな」と言うと。
「そうなん?」と言った。
そして最後の玄関で。
「泊まっていく?」と。
それに私は、笑顔で。
「それはあかんやろ」と言った。

言えた。
がんばれた。
自分の弱さに、勝った。
今の私には、これがすごいことのように思えた。
だから、普通マークになった。

この先。
私はまた、キュウの家に行くだろう。
そして、何回も。
「泊まっていく?」と言われるだろう。
そのたびに。
私は、闘う。
負けることも、あるかもしれない。
絶対勝つ、とは思えない。
危険なことも、わかってる。
わざわざそんなことしに行くなんて、とも思う。
でも、私にとって。
必要なことだと思う。
そうやって、自分を見極めていきたい。

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