試合

今日はお掃除の日、って予定だったけど。
昼前、先輩から電話がかかってきた。
1年ぶりの再会。
そして一緒に試合を見に行くことになった。

今日はいろんな気持ちを持った。
彼女はあいかわらず、かわいかった。
女としての色気と男っぽい性格が見事に同居してる。
彼女はいつも私のひとつ前にいた。
そんな気がしてた。
それは、今日もあいかわらずだった。
私は隣でそんな彼女をずっと観察してた。

Tやほかの同期の子達と、会った。
いろんな話して、楽しかった。
苦手な監督さんもいたけど、楽しかった。
でも、「楽しい」だけじゃない。

人は、簡単には変わらない。
関係も、簡単には変わらない。
あの雰囲気で。
私はやっぱりどこかこわがってて。
ここにいていいのかなって。
みんなになじんでいるのかなって。
私より彼女のほうが、魅力的なんだろうなって。
私より彼女としゃべってるもんなって。
あいかわず、そんなことを感じてた。

昔、ある先輩にこういわれたことがある。
「お前は、自分にはない、周りの人の良い所を
　とりいれすぎて、お前らしさを失った。
　俺は、前のお前のほうが好きだった。
　今のお前に、魅力は感じない。」
それをいわれたとき、何をいわれているか、わかった。
心当たりが、あった。
でも、そうせずにはいられなかったんだよ。
私らしさなんて、わからない。
みんな、私よりも、彼女じゃない。
その彼女の一部を取り込んで、何が悪いの？

今でも、わからなくなる。
あのときを思い出すと、つらくなる。

あの3年間は。
大変な3年間だった。
つらさと、楽しさと、さみしさと、あったかさと。
憎しみと、愛情と、熱意と、あきらめと。
全部、入ってた。

わからなくなる。
また、わからなくなる。
混乱する。
たえきれなくなる。

彼らといるのは、楽しい。
彼らといるのは、苦しい。
どうして、一度に感じてしまうんだろう。
それは私の、器の小ささなのかな。
もっと、大きな人間になりたい。
もっと、強い人間にならないと。
弱い人間に生まれてきて、よかったとおもう。
でも、今の私は弱すぎる。

これじゃあ、彼の隣には、並べない。